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子どもがかかりやすい感染症

 経口補水液の作り方

新型コロナウイルス感染症

主な症状

発熱、喉の痛み、咳、嘔吐、下痢など

SARSコロナウィルスによる感染症で、3日から1週間程度の潜伏期間(ウィルスや細菌に感染してから発症するまでの期間)後に発症します。
小児では軽症の方が多いと言われていましたが、熱性けいれんやゼイゼイするお子様も増えており、特に2歳未満の方は注意が必要です。
基本的にはウィルスに直接効果のあるお薬ではなく、症状を軽くするお薬を使用(対症療法といいます)します。
迅速診断キットやPCRで診断することができます。

登園(登校)のめやす 症状がある場合は、発症日から5日間が過ぎ、かつ症状がなくなってから24時間が経ってからになります。
症状がない場合は、診断がついた日から5日間が過ぎてからになります。
予防接種 【小児】
コロナウイルスワクチン[モデルナ:スパイクバックス]生後6か月以上12歳未満

【大人】
コロナウイルスワクチン[ファイザー:コミナティ]12歳以上
コロナウイルスワクチン[モデルナ:スパイクバックス]12歳以上

インフルエンザ

主な症状

発熱、悪寒、体のだるさ、頭痛、喉の痛み、鼻水、筋肉痛、嘔吐、下痢など

急に高い熱が出て、あっという間に流行ってしまうインフルエンザウィルスによる感染症です。
これまでは寒い時期の感染症と思われていましたが、2023年頃から夏にも流行るようになってきました。
お薬による治療を行いますが、合併症として、肺炎、脳症(けいれんや意識障害)、中耳炎、心筋炎、筋炎などがあり、重症になる方もいらっしゃるので注意が必要です。
異常行動があらわれることもあり、お薬(タミフル)のせいではないかと思われたこともありましたが、その後の調査で異常行動はお薬とは関係なく認められることがわかってきました。このためインフルエンザにかかってしまったときは異常行動の出現に注意しながら見まもることが大切です。
注射ワクチンには感染の予防効果はありませんが、重症化の予防効果が期待されています。
また、2024年から国産経鼻ワクチン「フルミスト」が使用可能となりました。経鼻ワクチンは感染予防効果+重症化予防効果が期待されています。
迅速診断検査キットによる診断は有効ですが、お熱が出てからの時間が短いと陰性になってしまうことがあります。

登園(登校)のめやす 小学生以上は発症後5日を経過+解熱後2日を経過してから、小学校入学前のお子様は、発症後5日を経過+解熱後3日を経過してからになります。
予防接種 【小児】
経鼻インフルエンザワクチン[フルミスト]2歳以上18歳未満
インフルエンザ予防接種 生後6か月以上13歳未満

【大人】
インフルエンザ予防接種 13歳以上

百日咳

主な症状

百日咳菌による感染症です。
コンコンと咳き込んだ後、ヒューという笛を吹くような音を立てて息を吸う咳が長期にわたって続きます。顔が腫れてしまうほどのひどい咳をすることがありますが、発熱することはあまりありません。
生後3か月未満のお子様では呼吸ができなくなる発作(無呼吸発作)、肺炎、中耳炎、脳症などの合併症も起こりやすく、命にかかわることがあるので要注意です。
春から夏にかけて流行することがありますが、菌は1年中いると思われます。
国内の最近のデータでは5歳ころから10歳代前半でかかられる方が多く、また成人の方の発症も増えています。
迅速検査キットやDNA検出で診断ができるようになりました。治療は抗生物資投与になります。
日本小児科学会は、任意接種(自費)として、就学前の3種混合ワクチン(DPT)の接種を、また11歳以上13歳未満での2種混合ワクチン(DT)の代わりに3種混合ワクチンの接種をお勧めしています。

登園(登校)のめやす 特有の咳が消失するまで、または5日間の抗菌薬による治療が終了するまでは出席停止です。
予防接種 【小児】
三種混合ワクチン(※接種希望の方はコールセンターへご相談ください)

麻疹(はしか)

主な症状

発熱、咳、鼻水、特有な発疹

感染力の強い麻疹ウィルスによる感染症で、治療薬はなく対症療法のみとなります。
肺炎、中耳炎、喉頭炎(クループ)、脳炎などを合併することもまれではなく、また、非常にまれですが、かかってから数年後に亜急性硬化性全脳炎といわれる死亡率の高い脳炎を発症することがあります。
日本は、2015年3月に世界保健機関西太平洋地域麻疹排除認証委員会より麻疹がなくなった国と認定されましたが、最近は東南アジアを中心とした海外からの持ち込みで感染が広がることが多くなりました。
発症してしまうと非常につらい病気ですが、ワクチン接種により予防が可能です。
日本小児科学会は、定期接種の方に加えて、2回の接種を完了していない未成年者、1歳未満の乳児を持つご両親やその同居ご家族、妊婦の方の同居家族、医療関係者(事務職員や救急隊員を含む)、保育関係者、教育関係者、海外渡航を予定している方への任意のMRワクチン接種をお勧めしています。

登園(登校)のめやす 発疹が出てからの発熱が解熱後3日過ぎるまでは出席停止です。ただし、病状により感染力が強いと認められたときは、停止期間が長くなる可能性があります。
予防接種 【小児】
《公費》MRワクチン[麻しん、風しん]

【大人】
MRワクチン[麻疹・風疹混合ワクチン]

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)

主な症状

耳下腺などの腫れ

ムンプスウィルスによる感染症で、治療薬はなく対症療法のみとなります。
腫れは2~3日でピークとなり、3~10日間でひいてきます。
合併症としては無菌性髄膜炎(10~100人に1人)が有名ですが、実は、治らない難聴(500~1,000人に1人)、急性脳炎(3,000~5,000人に1人)にも注意しなくてはなりません。
日本耳鼻咽喉科学会は 2015~2016年に少なくとも348人がおたふくかぜによる難聴となり、300人近くに後遺症が残ったと報告しています。
成人の方では精巣炎、卵巣炎などの合併症もあります。
日本小児科学会が2022年~2023年に行った調査では、予防接種後の無菌性髄膜炎は13.4人/10万接種で、自然にかかった場合に比べて非常に少なくなっていました。
定期接種にはなっていませんが、2回の予防接種を受けることが勧められています。

登園(登校)のめやす 耳下腺、顎下腺または舌下腺が腫れてから5日が過ぎ、痛みなどがなくなるまで出席停止です。
予防接種 【小児】
おたふくかぜ(ムンプス)ワクチン[国産ワクチン]

【大人】
おたふくかぜ(ムンプス)ワクチン[国産ワクチン]

風疹

主な症状

薄い赤色の発疹、発熱、リンパ節の腫れ(特に耳の後ろ)

風疹ウィルスによる感染症で、ワクチン未接種の成人男性を中心に2012~2013年に約17,000人、2018~2019年に約5,000人の方がかかってしまいました。
治療薬はなく、対症療法のみとなります。
病気自体は軽いのですが、まれに脳炎(6,000人に1人)、血小板減少性紫斑病(3,000人に1人)、関節炎などの合併症があります。
特に妊娠20週頃までにかかると赤ちゃんが先天性風疹症候群にかかってしまうことがあります。(妊娠1か月以内の感染では、50%以上の赤ちゃんがかかってしまいます)。成人男性に流行ってしまった期間の2012~2014年に45人、2019~2021年までに 6人の先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれました。
日本小児科学会は、定期接種の方に加えて、2回の接種を完了していない未成年者、1歳未満の乳児を持つご両親やその同居ご家族、妊婦の方の同居家族、医療関係者(事務職員や救急隊員を含む)、保育関係者、教育関係者、海外渡航を予定している方への任意のMRワクチン接種をお勧めしています。助成制度がありますのでご確認ください。

登園(登校)のめやす 発疹が消失するまで出席停止です。
予防接種 【小児】
《公費》MRワクチン[麻しん、風しん]

【大人】
MRワクチン[麻疹・風疹混合ワクチン]
《公費》横浜市風しん対策事業
《公費》風しん追加対策事業(第5期定期接種)

水痘(みずぼうそう)

主な症状

発疹(おなかや背中、頭の皮膚に出ることが多い)、発熱

赤い平らな発疹→もり上がっている発疹→水疱→膿みをもった水疱→かさぶたの順に進行する発疹が出現します。
同時にいろいろな段階の発疹が見られます。
伝染性の強い水痘・帯状疱疹ウィルスによる感染症で、細菌感染、肺炎、脳炎、肝炎、急性脳症などを合併することがあります。
抗ウィルス薬による治療が可能です。
横浜市では定期接種として1~3歳未満の方へのワクチン接種を行っています。
成人の方がかかるとひどくなることがあるので、過去に水痘にかかったり予防接種を受けた記憶のない方は予防接種を受けることをお勧めします。

登園(登校)のめやす すべての発疹がかさぶたになるまで出席停止です。
予防接種 【小児】
《公費》水痘ワクチン

【大人】
水痘ワクチン[ビケン]

咽頭結膜熱(プール熱)

主な症状

発熱(39~40度)、目が赤くなる、まぶしがる、目やにがでる、涙の量が多くなる、喉の痛み、下痢、白い便

アデノウィルスによる感染症です。
夏の感染症と言われていましたが、最近は1年を通じて発症する患者さんがいます。
有効な治療方法はなく、対症療法になります。
便にもウィルスが排泄されるため、排便後やおむつ交換後の手洗いが大切です。タオルの共用はできません。
迅速検査キットで診断することもありますが、検査せずに症状だけで判断することも多い病気です。

登園(登校)のめやす 主な症状が消えてから2日経つまでは出席停止です。
予防接種 なし

溶連菌感染症

主な症状

咽頭炎(喉の痛み)、とびひ、発疹、嘔吐、下痢など

A群溶血性レンサ球菌が原因となる細菌感染症です。合併症として症状が出てから数週間後にリウマチ熱、腎炎をおこすことがあるため注意が必要です。
迅速検査キットでの診断が可能です。

登園(登校)のめやす 抗生剤を使用すると24時間以内に感染力はなくなり登園(登校)は可能になりますが、抗生剤を最後まで飲み切ることが大切です。
予防接種 なし

手足口病

主な症状

水疱(水ぶくれ)、発熱など

お口の中、手足に水をもった発疹ができるウィルス性の病気です。
毎年のように夏に流行していますが、最近の日本では 2011年、2013年、2015年、2017年、2019年、2024年に比較的大きな流行がおきました。
原因ウィルスが何種類かあるため症状もいろいろあり、高熱が出たり、全身に発疹が出たり、爪が剥げたりする方もいらっしゃいます。
診断するキットはなく、有効なお薬もないので対症療法になります。
口の中が痛くて食べたり飲んだりできなくなるお子様がいらっしゃいますが、ピークは2~3日なので、のどごしの良いものやシャーベットなどを少しずつあげてください。

登園(登校)のめやす 園や学校ごとに基準が違いますので、園や学校にご確認ください。
予防接種 なし

ヘルパンギーナ

主な症状

水疱(水ぶくれ)、発熱など

お喉やお口の中にひどい水疱、潰瘍ができ、咽頭結膜熱(プール熱)と同じ時期に流行する夏かぜの代表的なウィルス性の病気となります。
診断キットや有効なお薬はありません。
解熱してからも長期間ウィルスが排泄されるため、手洗い(特に排便後)が大切です。
お口が痛くて食べたり飲んだりが難しくなるお子さまがいらっしゃいます。こまめに水分をあげてください。

登園(登校)のめやす 園や学校ごとに基準が違いますので、園や学校にご確認ください。
予防接種 なし

伝染性紅斑(りんご病)

主な症状

紅斑(赤み)、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛など

かぜのような症状を認めた後にお顔、ほっぺた、腕や太ももに少しもり上がった平らな発疹(網目状になることもあります)がみられるウィルス性の病気です。
発疹は数日で消えますが、再発することもあります。
診断キットや有効なお薬はありません。
国内では数年周期で流行しており、2018~2019年に全国的な流行がみられました。
ほとんどの成人の方は抗体をお持ちですが、28週未満の妊婦さんが感染すると流産・死産(2~6%)、お腹の中の赤ちゃんに胎児水腫という病気が発生する(3%)ことがありますので要注意です。

登園(登校)のめやす 発疹が出たときにはほとんど感染力はありませんので、元気なお子様は登園(登校)して大丈夫です。
予防接種 なし

ロタウイルス感染症

主な症状

嘔吐、下痢、白い便

流行性嘔吐下痢症といわれるロタウイルスによる感染症で、冬から春にかけて患者さんの発生数が多くなります。
普通は2~7日で治りますが、脱水、まれに繰り返すけいれんや脳症を合併することがあるので、注意深く見まもることが大切です。
こまめに水分を与えることが大切ですが、お茶やお水ばかりあげているとぐったりしてしまいます。経口補水液をあげましょう。
ワクチン接種が始まる前は日本の患者数は年間約80万人で、そのうち2~8万人が入院し、10人前後が死亡していましたが、ワクチンが開始されてから重症化する方は激減しました。
検査キットで診断できますが、ウィルスにきくお薬はありません。対症療法になります。

登園(登校)のめやす 嘔吐や下痢がなくなり元気になれば登園(登校)できますが、ウィルスは便の中に3週間以上排泄されるため、手洗いが大切です。
予防接種 【小児】
《公費》ロタウイルスワクチン

ノロウイルス感染症

主な症状

腹痛、嘔吐、下痢

流行性嘔吐下痢症をおこすいくつかの原因ウイルスの一つのノロウィルスによる感染症です。
ウィルスがついた水や食物、手から感染したり、吐いたものから飛び散って感染したりしますが、食中毒を起こすこともあります。
1~3日で嘔吐や下痢は治っていきますが、ウィルスは便中に3週間以上排泄されます。再感染することもあるため、症状が落ちついても手洗いが重要です。
こまめに水分を与えることが大切ですが、お茶やお水ばかりあげているとぐったりしてしまいます。経口補水液をあげましょう。
検査キットで診断できますが、ウィルスにきくお薬はありません。対症療法になります。

 嘔吐物の消毒方法

登園(登校)のめやす 症状のある間が主なウイルスの排泄期間になります。下痢、嘔吐症状が消失した後、元気なお子様は登校(登園)できますが、手洗いは大切です。
予防接種 なし

肺炎マイコプラズマ感染症

主な症状

咳、発熱、頭痛、発疹、中耳炎

夏から秋にかけて流行する咳が長引く感染症です。
潜伏期間が2~4週間と長く、初めのうちは熱が出るとは限らないため、かかっていても気づかれないことがあります。
咳は徐々にひどくなってゆき、発熱、頭痛、発疹、中耳炎などをともなうこともあります。
2016 年、2024年に大規模な流行がありました(オリンピックの年に流行すると言われていました)。
検査キット、遺伝子検査で診断できますが、検査の感度はあまりよくありません。

登園(登校)のめやす 症状が落ちついてからも数週間~数か月は保菌していますが、お熱が下がり、激しい咳がおさまってきたら登園(登校)してかまいません。
予防接種 なし

RSウイルス感染症

主な症状

発熱、咳、鼻水

小さいお子様(特に1歳未満)がかかると呼吸困難を起こすことがあるRSウィルスによる感染症です。
秋から冬にかけての流行が主流でしたが、最近は夏から流行がはじまるようになってきました。
鼻水、咳、発熱からはじまり、急速にゼイゼイして呼吸が苦しくなります。
急性細気管支炎や肺炎となり酸素投与や人工呼吸が必要になることがあります。
年齢が高くなるにつれて症状は軽くなってきます。
有効なお薬はありません。
検査キットによる診断ができますが、年齢制限がありますのでご注意ください。
一定の条件(基礎疾患のある方など)を満たした赤ちゃんにウィルスに対する抗体を筋肉注射することで症状を軽くすることができます。
また、2024年より妊婦の方へのRSワクチン接種(自費)ができるようになりました。妊娠後期に接種することで赤ちゃんがRSウィルスに感染したときの症状を和らげることができます。

登園(登校)のめやす 咳で吐いてしまったり眠れない場合は、できればご自宅で安静にしてください。
予防接種 【大人】
RSワクチン[アレックスビー]60歳以上

ヒトメタニューモウイルス感染症

主な症状

発熱、咳

寒い時期に流行する呼吸器感染症で、RSウイルスとほぼ同じように咳、発熱、ゼイゼイ出てきて重症化(急性細気管支炎、肺炎など)することがあります。
5歳までにほとんどのお子様がかかります。
有効なお薬はありません。
検査キットによる診断ができますが、年齢制限がありますのでご注意ください。

登園(登校)のめやす 咳で吐いてしまったり眠れない場合は、できればご自宅で安静にしてください。
予防接種 なし

日本脳炎

主な症状

発熱、頭痛、悪心、嘔吐など

日本脳炎ウイルスはブタなどで増殖し、蚊(コガタアカイエカ)によってヒトに運ばれるがウイルスで、急性脳炎の原因となります。
ヒトからヒトへうつることはありません。
感染した方が全員発症するわけではなく、感染者100~1000人に1人が発症し、そのうちの20~30%が死亡、30~50%は脳障害の後遺症がのこります。
治療薬がないため、予防接種を受けることをお勧めします。
コガタアカイエカは水田や沼、大きな水たまりに産卵し、日没頃から活動するので、野外で活動する場合は虫除け剤(ディート、イカリジンなど)を使用し、蚊にさされない工夫をしましょう。ディートを使用した虫よけ剤は使用方法が年齢によって変わりますのでご注意ください。

予防接種 【小児】
《公費》日本脳炎

日本小児科学会資料を改変し、掲載しております。

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