肝癌とは?
肝がんは、肝臓に発生する悪性腫瘍です。
肝臓は解毒や代謝、胆汁の生成を担う重要な臓器であり、肝がんはその機能に大きな影響を及ぼします。
肝がんには、肝細胞から発生する肝細胞がん(HCC)が最も多く、日本では肝硬変や肝炎ウイルス(B型・C型)との関連が強い病気とされています。
肝がんの種類
① 肝細胞がん(HCC)
肝臓の主な細胞(肝細胞)から発生します。肝がんの90%以上を占めます。
② 肝内胆管がん
肝臓内の胆管から比較的まれに発生するがんです。
③ 転移性肝がん
他の臓器(例:大腸がんや胃がん)から転移して肝臓に発生します。
主な原因
肝がんは、慢性的な肝臓の炎症や障害に関連して発生することが多いです。
① ウイルス性肝炎
B型肝炎やC型肝炎ウイルスは肝細胞を繰り返し傷つけ、がんのリスクを高めます。
② 肝硬変
アルコールの過剰摂取や慢性肝炎が進行して肝硬変になると、肝がんの発症率が大幅に上がります。
③ 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)
脂肪肝・肥満や糖尿病が原因となる非アルコール性脂肪性肝炎は、肝がんのリスク因子です。
④ 毒素や薬物
アフラトキシン(カビ毒)や特定の薬物の長期使用は肝細胞を傷害し、発がんの原因となります。
症状
肝がんは初期には症状が出にくいですが、進行すると以下の症状が現れることがあります。
- 倦怠感、体重減少、食欲不振
- 右上腹部の鈍痛や膨満感
- 腹水の貯留によるお腹の腫れ
- 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
診断
肝がんの診断には以下の検査が行われます。
① 画像診断
腹部超音波検査:肝臓内の腫瘤を確認するための基本的な検査
CTスキャンやMRI:腫瘍の詳細な形状や転移の有無を調べる
② 腫瘍マーカー検査
血液検査でAFPやPIVKA-Ⅱなどの腫瘍マーカーを測定します。
③ 生検
必要に応じて腫瘍の一部を採取し、がん細胞の有無を確認します。
治療
肝がんの治療は、がんの進行度や肝機能、全身状態に応じて選択されます。
① 外科手術
肝臓のがん部分を切除する方法で、肝機能が保たれている場合に実施されます。
② 肝移植
肝硬変や肝機能障害が進んでいる患者に対して、健康な肝臓を移植する治療法です。
③ 局所療法
ラジオ波焼灼療法(RFA):腫瘍を焼灼することで破壊(早期がんに有効)
エタノール注入療法(PEI):腫瘍にアルコールを注入し破壊
④ 薬物療法
分子標的薬:ソラフェニブやレンバチニブなど、がん細胞の増殖を抑える薬
免疫療法:免疫チェックポイント阻害薬が新たな治療選択肢となっている
⑤ 動脈化学塞栓療法(TACE)
腫瘍に栄養を送る動脈を塞ぎ、抗がん剤を直接注入する方法です。
予防策
肝がんを予防するためには、以下の対策が重要です。
- B型肝炎ワクチンの接種
- 血液や体液の接触を避ける(針刺し事故、性的接触など)
- 生活習慣の改善
- バランスの取れた食事
- アルコールの節制
- 定期的な検診(特に慢性肝炎や肝硬変患者は、定期的に画像検査や腫瘍マーカー検査を受ける)
