アキレス腱断裂は、ふくらはぎの筋肉と踵をつなぐアキレス腱(図の矢印の部分)が部分的、または完全に切れる外傷です。
若い人にはほとんどなく、普段運動しないが、稀にスポーツをする方に多くみられます。
ふくらはぎやかかとに突然の強い痛み
歩行困難、つま先立ちができない
時間が経つと腫れや内出血(あざ)が出現
ダッシュやジャンプなどの急激な動作を行った際に強い負荷がかかることで起こりやすく、特に準備運動不足や柔軟性の低下がある状態ではリスクが高まります。
また、加齢によってアキレス腱自体が弱くなることや、スポーツを再開した直後などで疲労が蓄積している場合にも発症しやすくなります。
断裂した腱を直接縫合する「手術療法」と、ギプスや装具で足首を固定し、自然治癒を待つ「保存療法」があります。
僕が医者になった頃に、手術療法と保存療法の議論がされるようになってきました。
その当時は、保存療法では再断裂率が高いと言われ、医者の間では「本当に大丈夫なの?」というのが意見の大半でした。
僕が保存療法で初めて治療したのは2002年頃で、患者さんからどうしても手術したくないと言われ、文献などを見ながら怖々やったのを記憶しています。
結果は非常に良く、正直、手術は必要ないのではと思いました。
のちにバレーボールのトッププレーヤーが保存療法で治療し、全日本にまで復帰した話を聞いたことからも、現在は自信を持って保存療法を勧めています。
正直、再断裂率が1~2%上がることや、数週間早い復帰だけのために手術をする必要はないと思います。
僕の経験では、再断裂率は2%以下(50人以上治療して1人程度)と決して高くなく、創痕や手術リスクのことを考えると、保存療法をお勧めします。
写真は保存療法で治療した患者さんの8週間目の状態です。
強度が付くまでにはもう少しかかると思いますが、きれいに治っています。
院長:三笠 貴彦